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施工の流れ

1.設計

クライアントの方の御要望を伺いながら、土地を見させていただき、家のスタイル、周りの環境、庭の向き、土壌の状態などをチェックします。
この時のクライアントの方との会話はとても大切です。
この時間にどれだけコミュニケーションをきちんと取れたかが、引き渡し時の満足度に関わってきます。
それは、庭に対する具体的な希望以外に、その方達が大事に思うライフスタイルを共有する時間だからです。
庭は住宅と違い生活に必ず必要な物という物はほとんどありません。
庭で長い時間過ごしたい、室内から眺めて心地よいのがいい、グリーンが多い方がいい、花が多い方がいい・・・「庭」といってもそれぞれ求める事は違います。
会話をすることによってそのようなことを感じていきます。

そして、その空間を色々な角度から考え図面、イメージ図などを作成します。私の図面は手描きです。
それは例えば「モミジ」といっても樹型は人間の姿形が色々であるように様々です。
「モミジ」でもここにはほっそりした樹型がいいとか、下から枝が出ている樹型がいいとかそれぞれの場所で望む樹型は異なってきます。
手描きをすることによりクライアントの方にイメージをよりわかりやすく理解して頂きたいと考えています。
また、オーダーメイドという庭だからこそ手描きの図面のほうが似合うと思っています。
という訳で(?)図面の作成には4週間ほど時間をいただいております。

2.施工

クライアントの方のOKがでたら施工に入ります。施工は必ず私が監理します。庭は図面通りに作ったら良い庭になるわけではありません。
 
それは、庭というのは基本的に自然の樹木、石材というように二つと同じ物がない素材を使って造ります。そのため、設計した本人が、そのイメージにあった素材を自分の目で見て選び、施工しなければ良い空間にはならないと思います。
その意味で現場での私は設計者というより施工者という立場が正しいかもしれません。
 
また、植物にとって適期に工事を行う事により、植物もクライアントの方もストレスが少なくなります。
そのため工事に入ったらずっと完了までという方法ではなく、期間を空けさせて頂くこともあります。

3.管理

私が理想とするのは肩の力が抜けていく庭。
管理といっても自然の成り行きに手を貸すという言葉が適切かもしれません。ご自分で庭を管理し、楽しむのが理想的なのですが、ほとんどの人が人生にたくさんの庭を持つ事はありません。わからない事が山ほどあると思います。
 
庭は、生きていて、日々変わっていきます。そのため手入れを任せられて、クライアントの方と庭と長いおつきあいができるのがもっともよい形だと思います。
つくってから3年くらいで移植した樹木や、自然の素材などはその土地になじんでいきます。そしてその時々に必要な手入れをしていくことで庭は更に良くなっていきます。
 
「里山」という言葉があります。里山というのも人間の手が入ってこそその機能、美しさが保たれています。必要以上に手をいれることはしないけれど、適切な手入れは必要です。 
極論をいえば、管理は設計より大切で、しかも難しいといってもよいかもしれません。
他の人につくってもらったけれど、また自分でつくったはいいけれど段々どうしてよいかわからなくなってしまったというお庭でも、お手入れさせていただいております。 
実は自分が作った庭でなくても「庭の手入れ」という作業がものすごく好きなのです。